仕事

とっつきにくい「デザイン思考」の入門

2016/12/21

デザイン思考

ビジネスの世界でよく目にするようになった「デザイン思考」という言葉。

世界有数の戦略コンサル会社であるマッキンゼーが、デザインコンサル会社LUNARを買収するなど、「デザイン」の重要性が増していますね。

一方で「デザイン」や「デザイン思考」について本当に理解し、実践している人はまだまだ少ないでしょう。初めはとっつきにくい概念のような気がします。私も正直あまりよくわかっていません。

そこで、これを機に「デザイン思考」を少しかじってみたので簡単にまとめたいと思います。

デザイン思考とは?

もともとは世界有数のデザインコンサルティング会社「IDEO」が提唱している思考プロセス。IDEOは日本ではあまり知られていないですが、アップルの初代マウスのデザインを手がけたりと、スゴい会社です。

デザイン思考とは、人々のニーズ、テクノロジーの可能性、ビジネス成功のための要件をうまく統合するためにデザイナーの手法を用いることで、イノベーションに関して人間中心のアプローチを取ること。

ーティムブラウン IDEO社CEOー

正直これでは何を言っているかわからないですよね?もちろん文字としての意味はわかりますが、それが一体どのような思考なのか、というのは具体的には見えてきません。

そこでデザイン思考の特徴をいくつか抑えておく必要があります。

人間中心

ビジネスやプロダクトは、技術やマーケットドリブンで作られることが多いです。デザイン思考の最大の特徴は、人間を全ての中心に置く、という点です。

ユーザーとなる人間の潜在的なニーズを起点として、技術的・経済的に実現可能なサービスやプロダクトを創っていく、これがデザイン思考です。

深層心理に迫る

デザイン思考は、人間の表面的なニーズではなく、奥底にあるニーズに注目します。

例えば馬で移動をしていた時代に人々に何が欲しいかを尋ねたら、「足の速い馬」と彼らは答えていたでしょう。しかし彼らの心の奥底にあった本当の欲求は「速い移動手段」です。それを「自動車」の出現によって満たしたわけですが、これこそまさにデザイン思考的なイノベーションです。

見た目の話ではない

「デザイン」という言葉を聞くと、多くの人がモノの形や色など、見た目の話を想像すると思います。

しかし、ここでいう「デザイン」とは見た目だけではなく、問題解決法やサービスを設計するという意味です。

デザイン思考を実践する方法

デザイン思考

d.school


デザイン思考は通常、以下のようなプロセスで実践されます。

EMPATHIZE(共感)

デザイン思考は人間中心主義なので、もちろんまずはユーザーを深く理解することが大切です。ユーザーを観察したり、彼らと関わったり、彼らの立場に立って体験してみることで、彼らへ「共感」していきます。

DEFINE(問題定義)

「共感」を通して発見したユーザーニーズなどを統合して、解決すべき問題を具体的に定義することです。

IDEATE(創造)

問題を特定した後は、その問題を解決するためのアイディアへと広げていく必要があります。そこで、大量かつ多様なアイディア出しを行って幅広い解決策を探ります。

PROTOTYPE(プロトタイプ)

「創造」で得たアイディアを実際に物理的な形にする段階です。ポストイットから試作品まで、形になるものは全てプロトタイプになります。ここでの目的は単純に機能を試すだけでなく、更に共感や理解を深めるためにあります。

TEST(テスト)

プロトタイプを実際に試す機会です。これによりアイディアを改善するだけでなく、そもそも問題定義が間違ってたかなども検証できます。

デザイン思考が生み出す未来

当たり前といえば当たり前ですが、人間中心に考えるデザイン思考が一般化すると次のようなことが起こります。

深津貴之とIBMデザインチームに聞く「デザイン思考」|SENSORS|
1956年、NY MoMAキュレーターのエリオット・ノイズをリーダーにイサムノグチ、チャールズ&レイ・イームズらトップデザイナーを招きコー

--今後「デザイン思考」が普及していくとビジネスはどう変わり、どういう未来ができていくのでしょうか?

工藤: 今の時代、世の中に必要とされないけど作られてしまうような、利用価値の低いプロダクトが残念ながら多いような気がします。。今後、デザイン思考の考え方が浸透し、本当に役に立つもの、心地よいと思えるプロダクトやサービスに収斂していくようになっていけば良いなと思っております。

深津: 工藤さんのお話で、僕の言うことがなくなってしまったのですが(笑)。不要な機能や無意味なプロダクトなど、『これいらないよね』といったモノが無くなっていくと信じています。

デザイン思考の本質

正直、上記の説明だけではよく分からない人も多いことでしょう。デザイン思考というフレームワークを説明したに過ぎないからです。

この記事を書くにあたって私自身いろんなソースをあたりましたが、どれも基本的にはフレームワークの説明でパッとしませんでした。

そんな中一番しっくりきたのがこの記事。フレームワークの説明ではなく、デザイン思考とは本質的にはどういうことか、がとてもわかりやすく書かれています。私もこの記事を読んで腹落ちしました。

『デザイン思考』とは何か。 - コピーライターの目のつけどころのブログ
2015年は「デザイン思考(Design Thinking)」という言葉が日本で割と一般的になった年だったような気がします(この一年で「デザイン思考」にまつわる本が100冊近くもで...

ロケットの打上げには膨大なコストがかかります。 そのコストを下げることが主人公ムッタの使命となります(21巻)

さて、打上げコストを下げるには「ロケットを軽く」することが最重要課題です。そしてそのために、月面の開発に使う資材をどれだけ「減らせる」か「軽くする」ことが大切になってきます。しかしながら、資材のコストを一つ一つ軽くしていくことはとても手間がかかるし、ものすごく軽くなることは期待できません。そこで主人公ムッタが考えるアイデアは「必要な資材を月面で作ればいい」というものです。

デザイン思考の学び方

私のデザイン思考のまとめは以上ですが、さらに詳しく学びたいという人には以下がオススメです。

無料教材で学ぶ

ウェブ上で、IDEOやd.school(スタンフォードのデザインスクール)がデザイン思考の教材を無料で提供しています。やっぱり本家の資料で直接学ぶのはいいですよね。(全て日本語バージョンです。)

書籍で学ぶ

デザイン思考に関する本もだんだん増えてきました。

動画で学ぶ

d.schoolがデザイン思考に関するレクチャーの90分濃縮版をYouTubeで公開しています。デザイン思考を実践するワークショップをの様子を映像で観れるので、イメージがつかみやすいかもしれません。

-仕事